星を駆ける列車の窓辺

主に好きなアニメ、ゲームについて書いていきます。

「さらざんまい」の1話時点での予想

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「さらざんまい」の1話を観ました!

まだまだ謎が多い第1話でしたが、すごく面白かったです!的外れになるかもしれませんが、現時点での予想を書きます。

気になったキーワードは「箱」「河童」「つながる」「欲望」「浅草」

 

たぶん「箱」のモチーフは、安部公房の「箱男」じゃないかな。

 

箱男」は、箱をかぶった男が箱の中から世界を覗き見する事によって、自分と他者の関係を「世界」と「匿名」に分けてしまうという話。

この場合「匿名」になった箱男は「世界」から消えて好き放題に外を観察ができるが、同時に「自分自身の存在」も消えてしまう。

 

よって「匿名」を被る行為は、自由を手に入れるのと引き換えに、自分自身を捨ててしまうことであり、現代の僕達にとってこれはドンピシャな題材である。


インターネットの普及、SNSの浸透によって、人々は何時でも誰とでも繋がれるようになった。このブログ自体が良い例だ。


皆が皆「匿名」を被って、互いにつながり、自由を行使する。犯罪行為や不貞行為、その他の良くないとされる事を、互いに探し合い抑止する。秘密は「共有しあえる程度の秘密」であることが前提となる。


しかし、人に言える「良い事」だけに塗り固められた自分自身は、果たして本当の「自分」なのであろうか。


「さらざんまい」は物語の冒頭で主人公が「この世界はつながりに溢れている」と言う。

まさに"このアニメは現代を写している"というメッセージから始まるのである。


「さらざんまい」の登場人物の3人が持っている「箱」とは、自身が手中に収めた"人に言えない秘密"、各々の「欲望」であり、それを持つことで「自分自身の存在」を確立している。


しかし、物語の中盤で3人は「河童」によって「尻子玉」を抜かれる。


古来から、河童に尻子玉を抜かれた人間は"ふぬけ"になると言われており、文字通り3人は「自分自身」を失くした"ふぬけ"になってしまう。


じゃあ「箱」=「欲望」はどこにいったのかといえば、箱を被った「カパゾンビ」に吸収されてしまう。


この「カパゾンビ」こそ、安倍公房の「箱男」。「匿名」を被った、"自分"の無い、生きてるのか死んでるのか分からない存在なのである。


終盤、3人はその「カパゾンビ」から尻子玉を抜いて、自身の「箱」=「欲望」を取り戻すんだけど、代償として互いの秘密を漏洩してしまう。


果たしてこれからの3人は、自分だけの「秘密」=「箱」=「欲望」を共有しあっても「自分自身」を保てるのだろうか。

そして、真に「つながりあえる」のであろうか。

という内容なんじゃないかな。


あと「箱」は「パンドラの箱」でもあると思う。

ギリシャ神話では、ゼウスに持たされた「パンドラの箱」を、自身の欲望に負けたパンドラが開けた結果、全ての災いが世に出てしまう訳なのだが、箱の底には"希望"が残る。


「さらざんまい」の3人が持っている「箱」の中身も、女装趣味での"なりすまし"であったり、その他様々な欲望ではありそうだが、最終話では希望が残るという示唆なのだろうか。


エンドロール後に、2人の警官が「カパゾンビ」の根源っぽい人から「欲望搾取」しているが、その時に出てくるアイコンが「イタチ」っぽい。


「イタチ」は古来より"妖怪視"され、イタチが数百年生きた妖怪は「テン」と呼ばれる。

広島県ではテンを殺すと火難に遭うと言う伝承が存在しているらしい。


また「浅草」を含め"江戸"は火災都市と言われるほど昔から家事が多かったらしい。


「さらざんまい」で「欲望搾取」している警官2人は「2匹のテン」であり、人々から「欲望」を奪う事で、強制的に「つながる」存在にさせようとしているんじゃないかな。


そして最終的に「欲望搾取」しすぎて大火事が起こると予想。


と長々と書きましたが、「現時点での予想を書きたい欲望」を吐き出して、今回の僕の「秘密の漏洩」は終わろうと思うディッシュ!