星を駆ける列車の窓辺

主に好きなアニメ、ゲームについて書いていきます。

FF15 エピソードアーデンの感想とFF15に思う事。

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FF15 エピソードアーデン」をクリア。

 


ケジメとしてプレイしたけど、DLCのクオリティも徐々に上がっていて、思いのほか楽しかった。

それだけに、後3作品がないのは悔しい。

これだけは絶対に出すべきだと今でも思うし、エピソードアーデン自体がそういった内容だった。

 


色々批判されているFF15ではあるけれども、実は物語の内容的な破綻はしていないと僕は思っている。

本編ゲームクリア当初は「オープンワールド」と「王都奪還の物語」の咀嚼が悪いと感じて、「なんで早く奪還しなきゃいけないのに、チンタラBBQしたり観光したりウェーイしてるんだよw」と思った。大学生の旅行かよ!と。

 

でも「大学生の旅行」というのは言い得て妙だった。

 

FF15」は未熟な主人公達が現実から目を背しながら、でも一瞬一瞬を楽しく懸命に生きる。

これは現実の「大学生」やそれに準ずる年代に共通した感覚なんじゃないかなと。

 

物語中に彼らが置かれた状況は決して楽観できるようなものではない。

しかし誰もがそうであるように、現実の状況を自らの目で見て実感することでしか"自らの人生"には向き合えない。序盤の"彼ら"のように、学生はその多くが、青春の延長としての「永遠に楽しい時間」を求めたくなるのではないだろうか。

 

プレイヤーはその感覚を作中の4人とともに「オープンワールド」で体験する。自由に遊び、冒険し、まだ見たことの無い「新しい出来事」に触れて少しずつ「世界の大きさ」を理解していく。

まだ1人の学生だったノクト達は、自分達も「社会を構成する一部」である事に気付いていく。

「社会のレール」の上にいると。

 

「社会」というのは、学生にとっては未知の領域であり、感覚としては「社会のレールに乗る」というより「社会のレールに乗せられている」というものではないだろうか。

 

「社会」を作中では、彼らの「運命」として描いている。

 

オープンワールド」で世界の大きさを実感し、世界の真実に触れるにつれて、彼らは「運命のレール」に乗せられていく。

物語は前半の「オープンワールド」からその名の通り「レールゲーム」にシフトしていく。

「運命のレール」のうえでノクトは様々な試練を経験し、「レールに乗せられている」のではなく自らの意思で「レールに乗る」という感覚を得る。

 

この意識変革は現実の世界でも重要だ。

 

僕達は決して「社会」からは逃れることはできない。けれど、その上で自己の意識を変えることはできる。「社会のレール」の上で自己を確立することはできる。

「運命のレール」に乗ったその結果、作中でノクトは最期に死を迎えるが、果たしてそれは不幸なことなのだろうか。

「社会のレール」に乗った僕達にだって、最期には死が待っている。しかしその結果は皆が不幸では無いはずだ。

ノクトであっても僕達であっても「死」という"結果"は大して重要ではない。それまでの過程で得た"覚悟"、自らの意思で「レールに乗る」という"自発的な意識変革"こそが、人生に置いて重要なのではないだろうか。

それを「オープンワールド」から「レールゲーム」への変遷の中で体験する。最期(ゲームの終わり)は決まっているけど、「オープンワールド=青春」で得た様々な経験、感情、想いがいつまでも残る。

 

そんなゲームになっていると僕は思う。

 


[最期に]

本来ならば「エピソードアーデン」から始まる「未来への夜明け4部作」で、「運命」からも解き放たれる「人類」の新たなるステージが体験できた筈なので、それがなくなった事は本当に残念でならない。

 


そしてFF13シリーズと同じく、最期は神殺しの展開によって、「実は僕達の現実こそが"運命"から解き放たれた世界であり、僕たち自身もいつか"社会"から自由になれる存在なんですよ」という希望が現実に繋がる円環構造になっていたと予想してしまう。

今回配信されたエピソードアーデンのローンチトレイラーの名前が「ルシの真実」だったので、この予想は近いんじゃないかな。

 


だから小説が楽しみでもあり、それがゲームで出来なかったことが残念でもある複雑な気分。

 


スクエニFF15の失敗を糧にして次作を展開してほしい。

今回、「ゲーム」は物語部分を完成させてから発売すべきだということが明白になった。

後付け云々に関しては正直どうでもいい。ゲーム作りの性質上、殆どの作品は後付けの連なりだと思うから。

 


スクエニの次作がFF15で得た教訓を生かしたものである事が確認できるまで、スクエニの作品は買いません。

あと「未来への夜明け」の残り3つの再制作を少しだけ期待しながら、今回はこの辺で!